日本在住者が米国LLCでStripe・Amazonに登録する完全ガイド【2025年最新版】

グローバルなビジネス展開を目指す日本の起業家にとって、米国市場へのアクセスは大きな機会となります。特にStripeの決済システムやAmazon.comのマーケットプレイスは、世界最大規模の顧客基盤を持つプラットフォームです。しかし、これらのサービスを利用するには、多くの場合米国の事業体が必要となります。

本記事では、日本在住者が米国LLC(Limited Liability Company:有限責任会社)を設立し、StripeやAmazonに登録する際の具体的な要件、必要書類、そして実際に直面する課題とその対処法について、2025年時点の最新情報を基に詳しく解説します。

Stripe(米国版)登録に必要な情報・書類

法人情報とEINの必須要件

Stripeの米国アカウントを開設するには、まず米国で正式に登記された法人が必要です。未登記の個人事業では、事業オーナーが実際に米国在住である必要があるため、日本在住者の場合は必ずLLCなどの法人形態を取る必要があります。

最も重要な要件の一つが**EIN(Employer Identification Number:雇用者識別番号)**です。これは米国法人の納税者番号であり、Stripeアカウントの有効化前に必ず登録しなければなりません。外国人がLLCを設立した場合、EIN取得にはIRSへの申請が必要で、オンラインでは完結せずFAXや郵送が必要となるため、取得までに数週間から数ヶ月かかることもあります。

代表者情報と本人確認

Stripeは代表者個人の本人確認を厳格に行います。米国Stripeの場合、代表者または実質的支配者として米国内に実住所がある人物を立てることが公式要件となっています。代表者個人の氏名、生年月日、住所に加えて、SSN(Social Security Number)またはITIN(Individual Taxpayer Identification Number)の入力が求められます。

SSNやITINを持たない外国人の場合、パスポートなど代替書類での確認が求められるケースもありますが、公式にはITIN取得が推奨されています。これは日本在住者にとって最も高いハードルの一つとなります。

米国の物理的住所と銀行口座

物理的な米国住所の登録が必須です。私書箱(PO Box)は認められず、登記Agentやバーチャルオフィスではなく実体のある住所が望ましいとされています。実際にはLLCの登記住所を利用するケースも多いですが、Stripeや銀行によっては追加の住所証明を求められることがあります。

また、米国の銀行口座も必要です。Stripeの売上は原則としてアカウント開設国の銀行にのみ入金可能なため、USD建てで受け取れる米国口座を用意する必要があります。口座名義は法人名義か事業者本人名義で、Stripe登録情報と一致している必要があります。

その他の要件

連絡用の電話番号やメールアドレスも求められます。SMS認証等で使用するため、できれば米国の電話番号を用意するのが望ましいですが、日本の番号でも認証可能な場合があります。

さらに、Stripeでは事業内容確認のため事業用ウェブサイトのURL提出が求められることもあります。実際に商品・サービスを掲載したサイトを用意しておくと審査がスムーズに進みます。

これらの要件を満たさない場合、米国Stripeアカウントの利用はできません。Stripeは提供情報の正当性を検証し、要件を満たさない場合や虚偽情報が発覚した場合はアカウント凍結のリスクがあるため、必要な書類・情報を事前に正確に揃えることが重要です。

Amazon.comセラーアカウント開設に必要な情報・書類

本人確認と住所証明

Amazon.comのセラーアカウント開設には、まず登録者の政府発行の写真付身分証明書が必要です。パスポート、運転免許証などが該当し、有効期限内で氏名・生年月日などが登録情報と一致している必要があります。

現住所を示す書類として、公共料金請求書や銀行取引明細書など直近2~6ヶ月以内のものが求められます。本人名義または法人名義で、記載住所が登録した住所と完全一致するものが必要です。日本在住者の場合は日本の住所の公共料金領収書等を用意し、Amazon登録時の連絡先住所として日本の住所を正確に入力します。

銀行口座とクレジットカード

銀行口座の通帳または月次明細の提出が求められます。口座名義人名や口座番号が記載されたページで、登録者名義または法人名義のものを用意します。日本在住者でもAmazon.comの売上は日本の銀行へ送金可能ですが、為替手数料等を考慮し、WiseやPayoneerなど米ドル受取可能な口座を用意するケースもあります。

支払い用クレジットカード(Visa/Mastercardなど国際ブランド)の登録も必須です。月額手数料や広告費の決済に使用されるため、有効期限内で住所や名義が登録情報と整合するカードが必要です。

法人登録証明と納税情報

法人名義で登録する場合、LLCの設立証明書(Articles of Organization等)や営業許可証に相当する公的書類を提出します。デラウェア州など設立州発行のCertificate of FormationをPDF等で準備してください。これは事業実態証明として機能します。

Amazonの登録プロセス内で税務情報の申告があります。米国LLCの場合、基本的には米国事業体としてW-9フォームに準じた情報提供となり、LLCのEINを入力します。シングルメンバーLLC(外国人単独所有)の場合でもAmazon上は法人として扱われるため、EINを用いた税情報提出が必要です。

連絡先とその他の設定

登録時に電話番号の登録とSMS認証が必要です。日本の携帯番号で問題ありませんが、国番号含め正確に入力します。また出品者用のストア名や初期設定情報(商品カテゴリー、発送元住所など)も途中で入力します。

これらの情報をオンライン登録フォームに入力し、本人確認書類と住所証明書類(計2点以上)をアップロードします。Amazonでは提出情報の厳格な確認が行われ、書類上の氏名・住所・法人名が入力情報と少しでも不一致だと審査に落ちる可能性が高いため、提出前に全ての書類と入力内容のつづり・表記が一致しているか再確認する必要があります。

StripeとAmazonの登録要件比較

両プラットフォームの主な違いを理解することで、効率的な準備が可能になります。

法人形態については、Stripeは米国内で登記済みの事業体が必須で、未登記事業の場合は代表者が米国在住である必要があります。一方、Amazonは登録自体は法人でも個人でも可能ですが、LLC名義で登録する場合は設立済みの米国LLCであることが求められます。

納税者IDは両方ともEINが必要です。Stripeでは個人事業主の場合はSSNまたはITINも認められますが、Amazonでは法人のEINを使用します。

代表者情報について、Stripeは米国在住の代表者の存在と、その代表者個人のSSN/ITINなどが必要となる点が特徴的です。Amazonは担当者の氏名・住所・連絡先と政府発行の写真付身分証の提出が求められます。

住所要件では、Stripeが米国の物理住所(PO Box不可)を求めるのに対し、Amazonは本人の現住所(日本)および法人の所在地住所の両方を登録し、それぞれに対応する証明書類が必要です。

銀行口座は、Stripeが米国の銀行口座を必須とするのに対し、Amazonは日本の口座またはWise/Payoneerなどの米国口座が利用可能です。

その他の要件として、Stripeはウェブサイト URL(事業内容確認のため)の提出が推奨され、Amazonはクレジットカード(手数料支払い用)が必須となります。

日本在住者が直面する典型的な課題と対処法

本人確認書類と住所証明の不一致問題

Amazonでは本人確認IDと住所証明の両方を提出しますが、外国人が米国LLCを使う場合、本人ID(日本のパスポート)と住所証明(米国外住所の書類)で国が異なり不一致となりやすいという課題があります。特に法人住所が米国、本人住所が日本だと書類不整合と見なされ、審査落ちの原因になります。

対処法としては、住所情報を整理することが重要です。Amazon登録時、本人の現住所は日本の住所に統一し、証明書類(銀行残高証明など)もその日本住所で取得します。一方、法人住所はLLCの登記先(米国住所)を登録しますが、可能ならその住所宛の銀行口座開設書類や郵便物を用意します。

例えばWiseなどでLLC名義の口座を開設し、登録住所をLLC住所に設定して銀行ステートメントを取得すれば、法人住所の証明として活用できます。いずれにせよ、提出する全書類で住所・氏名表記を一致させることが肝要です。

米国銀行口座開設の困難さ

米国外居住者にとって米国銀行口座の開設は大きなハードルです。従来、大手銀行では非居住者のみでの口座開設は難しく、オンライン専業銀行も近年コンプライアンス強化で登録エージェントの住所不可など制約が厳しくなっています。物理的に渡米できなければ、口座開設に苦戦するケースが多いのが現状です。

対処法としては、オンライン銀行を活用することが現実的です。最近はWiseやRelayといった非居住者でも開設可能なオンライン金融サービスが比較的利用しやすいとされています。Wiseは承認が容易で、RelayもFDIC保険を提供しています。これらはWebで申請可能で、必要書類もLLC設立書類、EIN、パスポートなど基本的なもので済みます。

Mercuryも人気でしたが、2024年以降は非居住者への審査が厳格化され、登録Agent住所のみでは不可となり、追加で実住所証明を求められるケースがあります。物理的に渡米できるなら、Wells Fargoなど非居住者対応に慣れた銀行で直接開設するのが確実です。

米国納税者IDと現地代表者の課題

Stripeの米国アカウントは米国居住の代表者とそのSSN/ITINなどが必要というハードルがあります。日本在住者のみで要件を満たすのは困難です。また、ITIN取得も時間がかかります。

対処法としては、どうしてもStripe米国アカウントが必要な場合、Stripe Atlasなどを利用して法人設立から銀行口座開設、Stripe申請まで包括支援を受ける方法があります。あるいは信頼できる米国在住の共同経営者を迎え、その人を代表者として登録するケースもあります。

ただし、名義貸しや虚偽申請は発覚時にアカウント停止となるため厳禁です。代替策として、Stripeがサポートされている国(日本はサポート済)で自社名義のStripeアカウントを開設し、Amazonには国外事業者として出店する方法も検討できます。

米国銀行口座の開設要件とリモート開設の実践

基本的な開設要件

銀行種別に関わらず、以下の書類提出が典型的に求められます。

  • LLC設立証明書類(Articles of OrganizationやCertificate of Formation)
  • EINの証明(IRS発行のEIN confirmation letterや147Cなど)
  • 代表者の本人確認書類(パスポート。可能なら米国運転免許など)
  • 住所情報(法人の登録住所、実際の事業運営拠点住所、代表者の自宅住所)

これらに加え、銀行によっては取引目的の申告や初回入金などが求められます。

リモート開設の可能性

結論から言えば、伝統的な米国銀行(例:ChaseやBank of Americaなど)では非居住者の完全オンライン開設は原則不可で、多くは米国内支店への来訪を求めます。一方、近年台頭したオンラインバンク・フィンテックは非居住者にも門戸を開いており、リモート申込が可能です。

Wise Business口座は、非居住者LLCでも開設報告が多数あります。申請はオンラインで完結し、審査も比較的通りやすいとされています。USDの口座・ルーティング番号を取得でき、入出金や為替にも強みがあります。ただし米国の銀行ではなくEMI(電子マネー機関)口座であり、FDIC保護が無い点には留意が必要です。

Relayはオンライン専業銀行で、提携銀行経由でFDIC保護があります。こちらも非居住者申込可能で、必要情報はWiseと概ね同様です。近年非居住者にも比較的柔軟との報告があります。

Mercuryはかつて非居住者に人気でしたが、2024年以降審査が厳格化しています。Registered Agentの住所のみでは不可となり、米国内の実住所証明を追加提出しないと開設拒否されるケースがあります。

その他、AirwallexやLiliといった新興フィンテックでも非居住者LLCの開設報告があります。また、Globalfy等の代行サービスは提携銀行での口座開設をリモート支援しています(代行手数料が発生)。

現地開設という確実な選択肢

確実なのは米国渡航して直接銀行口座を開設する方法です。非居住者に比較的寛容とされるWells Fargoでは、SSNやITINがなくてもパスポート等で口座開設に応じてくれるとの報告があります。この場合、LLC設立州内の支店を訪れるとスムーズです。渡米費用は掛かりますが、一度口座を作ればその後オンラインバンキングで運用できます。

日本に居ながら米国銀行口座を開設するにはオンライン銀行を活用するのが現実的な選択肢ですが、サービス提供各社のポリシーは変わりやすいため、最新情報を確認し複数の選択肢を検討することをおすすめします。

アカウント審査から運用開始までの実践ガイド

Stripeのアカウント有効化プロセス

アカウント仮開設では、メールアドレス登録後、ダッシュボード上で事業情報を入力します。業種や商品・サービス内容、法人詳細、銀行口座を登録し、必要事項を全て入力すると審査が開始されます。

自動審査と追加確認では、Stripeは提供されたEINや個人情報を元に自動KYC審査を行います。問題なければ即時に本稼働可能になりますが、リスク審査部門が疑義を感じた場合、追加書類(例えば代表者のIDや住所証明、法人設立証書類など)の提出を求められることがあります。これは特に非居住者が絡むケースで起こりやすいため、求められたら速やかに応じることが重要です。

決済テストと本運用では、アカウント承認後、実際に決済を受付可能になります。初期のうちは一度に高額の取引を行うと保留されることがあるため、小額で動作確認すると安心です。事業サイト上に正しく決済が組み込まれていること、返金ポリシー等が明示されていることもStripe側でチェックされる場合があります。

特に非居住者の場合、「実態のない不正アカウント」とみなされないよう、ウェブサイトや連絡先情報を整備し信頼性を示すことが重要です。万一アカウントが制限された場合は、ダッシュボード通知に従い追加情報を提出し、誠実に対応してください。

審査の注意点として、Stripeでは禁止業種や不正の兆候に厳しく、審査中や利用開始直後でも疑わしい点があれば支払いを保留し調査します。提出情報に偽りがないこと、利用規約に反しないビジネスであることを再確認しておきましょう。

Amazonの審査と本番稼働までの流れ

アカウント登録申請では、情報入力と書類アップロードが完了すると、Amazon側で出品者登録の審査が始まります。通常、提出から数日~数週間で審査結果が通知されます。

ビデオ審査が必要な場合もあります。最近のAmazonでは、新規セラーに対してライブのビデオ通話による本人確認を行うことがあります。提出した身分証原本を手元に用意し、Amazon担当者の指示に従って提示します。また登録に使用したクレジットカードもその場で確認される場合があります。日本在住者でも英語で基本的な質疑応答ができれば問題ありません。

審査結果とアカウント有効化では、審査に通ればAmazonから「あなたの出品用アカウントは有効化されました」と通知が来て、Seller Centralにフルアクセスできます。審査落ちした場合は理由が通知されるので、指摘事項を是正して再度必要書類を提出します。

出品開始準備では、アカウント有効後、まず二段階認証の設定や支払い受取口座の確認を行います。次に出品情報(商品リスト)の登録やFBA利用設定など運用の準備を進めます。初回出品時には商品が適切に登録できているか、SKUや在庫数、価格設定など細部を確認してください。

審査の注意点として、Amazonではアカウント登録時の情報整合性が極めて重視されます。「氏名のローマ字表記がパスポートと1文字違う」「住所の番地表記ゆれ」等も原因で再提出を求められることがあります。提出書類は高解像度でスキャンし、四隅まで鮮明に写ったカラー画像をアップロードしてください。

また、不正出品防止のため最初の数週間~数ヶ月はアカウント停止リスクが高い期間と心得ましょう。怪しい挙動は避け、顧客対応やルール遵守に努めることが重要です。

まとめ:成功への道筋と注意点

日本在住者が米国LLCを活用してStripeやAmazonに登録することは、適切な準備と正確な情報提供によって実現可能です。しかし、本記事で解説したように、多くのハードルが存在することも事実です。

最も重要なポイントは、書類の正確性と整合性です。氏名、住所、法人情報など、全ての提出書類と入力情報が完全に一致している必要があります。わずかな表記ゆれや不一致でも審査落ちの原因となるため、提出前の念入りなチェックが不可欠です。

米国銀行口座の開設は最大の課題の一つですが、WiseやRelayなどのオンライン銀行を活用することで、日本に居ながらでも開設できる可能性があります。ただし、各サービスのポリシーは変更されることがあるため、複数の選択肢を検討し、最新情報を確認することが重要です。

代表者要件については、特にStripeで厳格です。米国居住の代表者やSSN/ITINが必要となるため、これらを満たせない場合は代替案(Stripe Atlasの利用、日本のStripeアカウントでの運用など)を検討する必要があります。

最後に、虚偽申請や名義貸しは絶対に避けてください。発覚した場合、アカウント凍結だけでなく、将来的な利用制限や法的問題につながる可能性があります。誠実で透明性のある申請と運用を心がけることが、長期的なビジネス成功の基盤となります。

各プラットフォームのポリシーは定期的に更新されるため、最新の公式情報を確認し、必要に応じて専門家(国際税務に詳しい税理士、ビジネス弁護士など)への相談も検討してください。適切な準備と対応によって、グローバルなビジネス展開への扉が開かれるでしょう。

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