
栄養成分表示とアレルゲン表示は、異なる法令要件
米国で包装食品を販売するときは、栄養成分表示(Nutrition Facts)、原材料の表示、主要アレルゲンの表示などを確認します。Nutrition Factsの表示内容は主に21 CFR 101.9、主要アレルゲンは連邦食品医薬品化粧品法(FD&C Act)の403(w)条(21 U.S.C. 343(w))などの規定が関係します。
Nutrition Factsの表示が正しくても、アレルゲン表示が不十分であれば重大な違反となる場合があります。逆に、アレルゲン表示の違反があったことだけを根拠に、その製品のカロリー表示やビタミンの含有量表示まで不正確だったと判断することはできません。
Nutrition Factsに何を表示するか
一般的な包装食品のNutrition Factsには、1食分(Serving size)、容器当たりの食数、カロリー、総脂質、飽和脂肪、トランス脂肪、コレステロール、ナトリウム、炭水化物、食物繊維、総糖類、添加糖、タンパク質などの情報を所定の形式で示します。ビタミンD、カルシウム、鉄、カリウムの表示も重要です。
FDAの2016年改正では添加糖、ビタミンD、カリウムの表示が追加・強化され、ビタミンA・Cは原則として任意表示となりました。% Daily Value(1日当たりの栄養素等表示基準値に対する割合)や丸め方、表示が省略可能となる条件には例外があります。製品に適用される書式と例外を確認してください。
1食分は製造者が好きな量に設定できるものではなく、FDAの基準量(RACC)に基づく判断が必要です。小型包装、単一原材料の糖類など、通常と異なる表示が認められる場合もあります。
Stew Leonard’sへの2024年FDA警告書:問題は未表示アレルゲン
FDAは2024年11月18日付でStew Leonard’s Holdings LLCに警告書(MARCS-CMS 681214)を発行しました。FDAは2024年1月23日のFlorentine Cookiesの自主回収について、ピーナッツと卵が原材料として使用されていたにもかかわらず、販売時のラベルに表示されていなかったと指摘しています。
コネチカット州の消費者保護局は同年1月22日、当該製品に関連する可能性のある死亡が1件報告されていると発表しました。州の発表は、死因や責任を裁判上確定する文書ではありません。FDAの警告書はアレルゲンと原材料表示の問題を扱っており、この資料から当該商品の「添加糖・ビタミンD・カリウムのNutrition Facts表示違反」や「カロリーの書体違反」があったと断定することはできません。
FDAの警告書にはFlorentine Cookiesに加え、別商品での原材料表示の不備も記載されています。各商品の違反内容、FDAの指摘、販売店の自主回収は別々に把握する必要があります。FDAサイトに警告書があることだけで「FDAが自主回収を命令した」という意味にはなりません。
食品アレルゲン表示で確認すること
米国の主要アレルゲンは乳、卵、魚、甲殻類、木の実、小麦、ピーナッツ、大豆、ごまの9種類です。ごまは2023年1月1日から主要アレルゲンに加わっています。原材料表示でアレルゲンの由来を示すか、適切なContains表示によって明示する必要があります。
OEM製造、原料変更、包装ラベルの再印刷、店舗での小分け・再包装の各段階で、製品仕様書と表示内容の整合を確かめます。製造元からの成分変更情報が流通業者のラベルに反映される仕組みも重要です。
日本の食品事業者向けの実務チェック
①食品区分と表示免除の有無を確認する。②Nutrition Factsの栄養素、サービングサイズ、書式をFDA規則に沿って決める。③原材料とアレルゲンを米国の表示要件と突き合わせる。④OEMの配合変更や仕入先変更があれば英文ラベルを再審査する。⑤最終印刷物・EC販売ページ・輸入時の製品仕様書を照合し、確認記録を保存する。